水和熱測定によるアロフェイン·イモゴライトの吸水速度について－低温排熱利用熱交換材及び速乾性乾燥剤としての利用－

摘要

ヒートポンプにおける熱交換材として利用する際の吸着過程における時間的サイクル，及び乾燥剤として利用する際の速度論的な観点から，アロフェン·イモゴライトの特性を評価するため水和熱測定により吸水速度を求めた．その結果脱水温度100°cにおいて，アロフェンは吸水率16．6％，吸水速度の最大値0．063mmol／g·S，イモゴライトは吸水率19．4％，吸水速度の最大値0．087mmol／g·sであった．脱水温度100℃以下において，アロフェソはシリカゲルB型と比較して吸水速度は同等以下であるが吸水率は高く，またMg－A型ゼオライトと比較して吸水率は劣るものの吸水速度は大きかった．一方イモゴライトは，シリカゲルB型，Mg－A型ゼオライトよりも吸着速度は大きく，吸水率も高かった．このようにアロフェソ·イモゴライトは吸水速度が大きく，また吸水量も多いので，熱交換材あるいは乾燥剤として適した物質であることが明らかとなったが，脱水率の温度依存性を考慮すると，低温熱源を用いる場合には，脱水率が温度にあまり依存しないイモゴライトが最適な物質であることが明らかとなった．