雷保護技術の動向：鉄道の雷保護技術

摘要

電気鉄道においては，変電所からトロリ線に供給された電流は，パンタグラフを介して電気車に流れ電動機を駆動させる。そして電動機から変電所への電流の帰線としてはレールを用いるという方式をとっている。 電気車に電力を供給する電線路を電車線路といい，電車線路の架空電線部分を電車線という。 電車線に供給される電圧は，直流電化区間では主として直流1500Vが用いられ，在来線の交流電化区間では商用周波数の交流20kVが，新幹線では商用周波数の交流25kVが用いられている。 電車線路の概略を図－1に示す。 トロリ線はレール面から5m程度の高さの電線路であるので，一般の送配電線路と同様に雷による過電圧が発生する。 このため電車線路においても雷に対する保護が必要となる。 なお，直流電化方式は交流電化方式に比べて車両機器の構成を簡素化できるため，都市圏の高密度線区に採用され，交流電化方式は変電所間隔を大きくできることから地方の在来線で採用され，また大電力の供給に適していることから新幹線で採用されている。