中長期計画達成に必要な省エネ改修事業を融資対象に追加－建築物省エネ融資制度の拡充について

摘要

2002年6月に「エネルギーの使用の合理化に関する法律」（略称·省エネ法）の改正が公布され、2003年4月より施行された。 省エネ法は、燃料資源の有効利用を促すことを第一儀的な目的として、第2次石油危機後の1979年に制定された法律である。 前回1998年の同法改正では、1997年に京都で開催された気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)を背景に、温室効果ガスの主たる発生源であるエネルギー瀾費を抑制するため、機械器具に係るトップランナー方式の導入やエネルギー多消費工場におけるエネルギー使用合理化に関する将来計画の提出義務づけ等の措置が講じられた。 今回の改正では、大規模オフィスビル、デパート等について大規模工場に準ずるエネルギー管理の仕組みを導入するなど、エネルギー需要の増加傾向が著しい民生業務部門の省エネルギー対策が強化された。 今回の省エネ法改正に伴い、大規模オフィスビル、デパート等の民生業務部門における省エネ改修事業の増加が予想されることから、日本政策投資銀行は、当該部門における省エネルギー対策を一段と推進するための支援制度を拡充することとした。 本稿では、省エネ法改正のポイント及び改正に伴う日本政策投資銀行の融資制度拡充の内容を紹介する。