足寄町 木質バイオマス資源利用促進事業

摘要

北海道十勝東北部に位置する足寄町は、行政面積1,408km~2のうち83％が森林の中山間地域であり、平成21年9月末の人口は、7,951人となり、過疎化が進んでいる町である（図1）。足寄町の産業は、豊かな森林資源と山麓を活用した酪農業·林業を基幹とする第1次産業と、関連する食品加工·製造業、加えて公共投資による土木建築業といった第2次産業、また十勝東北部の観光や地域集客を対象とした第3次産業により発展してきた。足寄町の観光は、阿寒国立公園に隣接し、雌阿寒岳登山や公園内にあるオンネトー周辺は、エゾマツやトドマツ等の原生林に囲まれ、キャンプ場や散策に多くの集客となっておりオンネトーは、天候や風向によって湖の色が変化し北海道の秘境とも呼ばれ、年間45万人を超える観光客が訪れる町である。また、北海道遺産に登録された「螺湾ブキ」は、3mにもなる巨大ブキとして鑑賞及び食品として販売され、さらにはこの自生した「螺湾ブキ」地区からは、二酸化マンガンや石灰石が地上で生成することが見られ、これは世界にも例にないものであり、また鯨の祖先と言われるデスモスチルスの化石が世界初として発見されるなど、古代の学習場所として注目されているところである。