デシカント空調の最新動向：デシカント空調機の背景と適用事例

摘要

デシカント(Desiccant)は除湿という意味であるが、デシカント空調機というと、単に空気の除湿（潜熱除去）のみならず減温度（顕熱処理）装置の組込まれたユニットを総称している。 デシカント空調機は、米国において1985年頃より、フロンガスのオゾン層破壊、エアーシンドローム（気密性の高いビル内の空気の汚れや酸欠）、食品スーパーマーケットでのコールドアイル（ショーケースの前が寒い）と霜着などの問題を解決するために、数社がこの空調機の商用開発に取り組み始めた。 米国ICC社は他社に先がけて、シリカゲルを除湿剤とした除湿ローターを用い、外気で冷却する熱交換器ローターをもつ2ローター方式を採用し、吹き出し温度を下げるために、気化式蒸発器を組込んだデシカント空調機を開発し、これを食品スーパーマーケットに集中的に導入した。