Fe-Si/Mn-Ir交換結合磁性膜における磁界中熱処理と磁気特性の関係

摘要

本研究でFe-Si磁性膜に磁界中熱処理を行ったところH{sub}kの減少が確認され，Mn-Ir/Fe-Si交換結合膜に真空中無磁界中熱処理を行うとH{sub}(ex)および飽和磁界H{sub}sが減少し，熱処理温度T{sub}a＝300℃で約20％減少するとの報告もされている．これらの結果は熱処理によるf{sub}rの低周波化を示唆する．一方，角田（東北大）らによればMn{sub}75Ir{sub}25/Co{sub}70Fe{sub}30多結晶積層膜に磁界中熱処理を行うとJ{sub}(ex)が増大するとの報告がされている．交換結合膜においてJ{sub}(ex)とH{sub}(ex)には比例関係があり，J{sub}(ex)が増大することでH{sub}(ex)も増大するため，熱処理によるH{sub}kの減少をH{sub}(ex)の増大で補うことができ，f{sub}rの低周波化を防げると考えられる．本研究はMn-Ir/Fe-Si交換結合膜のJ{sub}(ex)の増大を目的とし，角田らの方法に注目してMn-Ir/Fe-Si交換結合膜に磁界中熱処理を行い，諸特性の変化について評価·検討を行った．