Sm-Co/Ru/Cu/Ru薄膜の結晶構造及び磁気特性

摘要

磁気記録媒体の高密度化には高い結晶磁気異方性エネルギーをもつ磁性体を磁性層として用いる必要がある。そこで我々は高結晶磁気異方性エネルギーをもつ(10{sup}8erg/cm{sup}3) SmCo{sup}5合金に着目し研究を行ってきた。 これまでの研究からCu下地層を用いて基板加熱しながらSm-Co層を作製すると垂直磁気異方性を有することがわかった。 このとき基板加熱によってCu下地層表面の粒子は300nm以上に成長するためSm-Co層表面が非常に粗い形状になった。またCu層厚を100nm以下とすると垂直磁気異方性を示さないことがわかった。 そこで基板加熱による粒子サイズの増大化と下地層厚の薄層化を目指し、高融点材料として知られfcc構造をもつRuに注目した。 Cu下地層の代わりにRu下地層を用いると基板加熱をしても粒子サイズはほとんど増加しないがSm-Co/Ru薄膜は垂直磁気異方性を示さなかった。 一方、Ru層をCu層とSmCo層との中間層ならびにシード層として用いると、この薄膜は垂直磁気異方性を示すことがわかった。 そこで本研究ではCu層厚依存性について検討した。