DNAマイクロアレイデータを用いたニューラルネットワークによる遺伝子制御ネットワーク推定法の評価

摘要

遺伝子制御ネットワークとは遺伝子の発現が遺伝子間で制御しあう関係をネットワークとして表わしたものである．この遺伝子制御ネットワークを推定する方法にニューラルネットワークを用いる方法が提案されている．この方法は，推定に用いる遺伝子発現データに含まれる測定誤差に大きく影響される．そのため推定結果の精度を下げる原因となっていた．そこで筆者らはこれまでに改善手法を提案し，その有効性をシミュレーション実験によって調べた．その結果，提案した手法は測定誤差による影響を緩和した推定結果が得られることを確認した．しかし，この提案した手法を用いて，これまでに実際に生体内に存在する遺伝子制御ネットワークを対象に推定を行っていない．そのため，提案した手法が実際に生体内に存在する遺伝子制御ネットワークに対しても有効であるか確認されていない．この事から，本研究では提案した手法を用いて生体内に実際に存在する遺伝子制御ネットワークの推定を行い，その有効性を示す．