低炭素ステンレス鋼の外面SCC

摘要

大気環境下における外面応力腐食剤れの対策として，SUS316Lなどの熱鋭敏化しにくいステンレス鋼の採用が推奨されています。 これらの非熱鋭敏化ステンレス鋼について外面応力腐食割れが発生する条件はありますか。 ステンレス鋼の外面応力腐食剤れについてはこれまで多くの研究や実態調査の報告があり，これらは例えば表1のようにまとめられています。 大気環境下における外面SCCはタイプIIに分類され，特にASCC（Atmospheric Stress Corrosion Cracking）と呼ばれています。 害びれは塩化物による応力腐食割れとして理解され，特に海塩成分のMgCl_2の影響を強く受けていると考えられています。 特徴は鋭敏イヒしたステンレス鋼について常温環境下の使用において認められ，破面は粒界を呈するとされています。 また，対策としては海塩付着防止（清掃や屋内では吸気フィルターによる空気中の海塩除去）や塗装などによる環境からの遮断，可能な場合は湿度の管理，また材料面では鋭敏化の防止や低炭素ステンレス鋼の採用が推奨されています。 ただし，タイプIの保温材下や構造的すき間部において比較的高温で発生する外面応力腐食割れについては低炭衰ステンレス鋼においても感受性があるとされています。