太陽熱利用の現状と将来：学校建築における太陽熱利用について

摘要

本市におけるOMソーラー設備を有する一連の小学校群の1年間のCO{sub}2削減量は，表5に示す設計時のシュミレーションから換算すると，150t-CO{sub}2/年となる．これはドラム缶約300本分の灯油に相当する．1994年からの累計は，CO{sub}2削減量が680t-CO{sub}2で，ドラム缶1,355本分の灯油を太陽熱で賄ったことになる．小さな一歩からの草の根運動的な成果といえる．多くの方々からご指導やご意見をいただきながら，また設計·施工に従事された方々の弛まぬ努力のもとに，事業を遂行してきた結果として，1997年はらせ幼稚園が「文教施設協会賞·うるおいのある木の教育環境部門」を（社）文教施設協会より，さらに1998年原瀬小学校が「第7回環境·省エネルギー建築賞·審査委員奨励賞」を（財）住宅·建築省エネルギー機構よりいただいた．本年12月1日に近隣3町と合併し，新生二本松市としてスタートを切ることになるが，今後とも地域と未来を担う子供たちのために，自然エネルギーを活用した環境にやさしい施設造りに努めていきたいと考えるところである．また併せて今回の報告では，表面的で経験的なデータの整理と考察となったが，今後は，熱負荷シュミレーションソフトや換気解析シュミレーションソフトを用い，現在計測中のデータの解析をより詳しく行い，これからの施設建築に役立てて行きたい．