国営企業傘下で行う合弁ビジネスの特性

摘要

社会主義国家キューバでも，近年カナダ，EU諸国，中国などの企業が進出し，キューバ企業との合弁企業(JV)を立ち上げ，製品の製造·輸出·国内販売を行っている。法的には100％外資の企業設立も可能であり，外資が50％以上を占める企業は複数存在する。 外資がキューバに進出するには，以下に紹介する上部機関企業の管理の下，個別の国営企業とJVを設立し，ビジネスを行っていくことになる。 米州，欧州との近接性や，労働者の質の高さなどにより，キューバには多くのビジネス機会が存在するとの見方がある。 しかし，他国と経営手法が異なるキューバ国営企業のビジネス慣習が，外資にとって障害となることも少なくない。 以下，2001年11月に筆者がハバナで行った聞き取り調査を基に，外資のビジネスを管理する上部機関企業をいくつか紹介する。