新世代3次元原子間力顕微鏡による側壁粗さ特性評価

摘要

第一世代の原子間力顕微鏡（AFM）はピェゾチューブスキャナーからなっており、高空間分解能を有し定性的な測定に関しては良い性能を発揮している。しかしながら、元データのバックグラウンド曲線と、X-Y-Z軸間のクロストークにより、測定値の正確性および再現性に乏しく、定量的な形状測定には不十分である。新世代AFMではX-Yスキャナーにフレクシヤースキャナーを配し、高いX-Y直交性と高平坦性のある元データを可能とするとともに、それとは独立したZスキャナーを設けている。このZスキャナーには最小の質量を負荷させ、カンチレバー駆動時の慣性を最小に抑えている。また駆動には積層ピェゾを用い、高速、高感度電子回路制御により真の非接触（ノンコンタクト）測定を実用化した。本測定方式を応用し、Zスキャナーを傾斜させることにより、AFM史上初めてアンダーカット（オーバーハング）形状の側壁の構造を測定するシステムが実現した。当然ながら垂直な側壁もまた、測定可能になる。E-mail sugiura-shinsuke@parkAFM.co.jp