ITと空調管理システム

摘要

1984年に開発されたビル用マルチエアコン"City Multi" は，それまで主流であった水方式空調システムに対し，中小規模ビル域において取って替わり，大中規模ビルは水方式空調と棲（す）み分けが進んだ。 水方式空調市場への拡大とバブル経済が重なり急速な伸びを示したが，市場浸透完了とバブル崩壊の現在においては，市場規模の増加は望めず，従来とは違ったリニューアルビジネスへ変化しつつある。一方，ビル用マルチエアコンの市場規模が拡大しつつある海外においては，国ごとに事情が異なるため，多様な市場要求が発生してきた。 空調機ユニット本体と両輪をなす空調管理システムにおいて，国内外の変化に対応できるシステムを提案する。一般に空調管理システムは，大規模·高機能·高価格又は小規模·低機能·低価格のいずれかである。ビル用マルチエアコンの主市場は，中小規模でありながらプロ用途のため高機能の空調管理システムが要求されている。 また，遠隔監視·遠隔保守を行おうとすると，専用インフラが必要で，高コストとなっていた。 パソコン，インターネット技術を利用することで，高機能·リーズナブル価格での空調管理システム及び遠隔監視システムの実現が可能となった。 小規模から大規模ビルまで広くお客様に快適空間の創造を提案できる次世代型の空調管理システムを紹介する。