オフィスビルにおけるセキュリティシステムの動向

摘要

大都市圏を中心にオフィスビルの建設ラッシュが続いており，特に大規模ビルでは，個人情報保護や機密情報管理の意識の高まりによって，セキュリティシステムを導入することは必然的になってきている。本稿は，セキュリティシステムの核となる三菱統合ビルセキュリティシステム"MELSAFETY-G"を中心に，次の項目に整理して述べる。 (1)センター装置の管理機能：登録，削除等のカード管理や通行権限の設定，扉の監視や操作，通行履歴等の履歴管理機能。 (2)他システムとの連携機能：人事サーバ，カード印刷機，情報システムとセキュリティシステムとの連携内容。 (3)他設備との連動機能：エレベーターや空調，照明設備等，他設備とMELSAFETY-Gとの連動制御内容。本稿で述べる導入事例は，MELSAFETY-Gで基本的には対応が可能になっている。しかし，管理者（オーナー）や入居テナントからの要望は多様化している。 テナントがシステムを持ち込んでセキュリティを構築するケースも増えつつあることからも，顧客要望は，これからも多様化すると予想される。 今後もその要望に対応するために，さらにシステム機能を拡充しなければならない。