開閉極位相制御装置の制御アルゴリズム

摘要

ガス遮断器の開閉動作時に発生する過電圧·過電流は機器の寿命·絶縁耐力·系統電圧の安定性に影響を及ぼすことが知られている。 開閉極位相制御とは，これらの過電圧又は過電流の最過酷値を抑制するために，系統電圧の特定位相において遮断器を開極又は閉極させるものである。 開閉極位相制御適用による過電圧·過電流の抑制効果は，①いかに正確に目標位相で開閉極させるか，②開閉極すべき目標位裾をどこに設定するか，によって決定される。 このうち，本稿では①に焦点を当てている。 ①を達成するための様々な要因のうち，特に開閉極時間を精度良く予測することが重要な課題となっている。 三菱電機では，動作環境条件·過去の動作履歴·休止時間に基づいた補正方式を開発し，開閉極時間の予測精度を向上させることに成功した。 そこで本稿では，当社の開閉極位相制御装置の動作原理について述べた上で，開閉極時間の予測方法の詳細について述べる。 また，遮断器との組合せ試験により，この方式の有効性を検証した結果についても述べる。