映像蓄積·検索·表示技術

摘要

広帯域ネットワークの普及やデジタル映像監視機器の低価格化に伴い，監視領域をきめ細かく観察するためにカメラの接続台数が増加している。 道路·河川や大規模ビルなど数百台のカメラを備える多カメラ監視において，マトリックス表示される複数カメラの映像を監視員が常時目視する従来の監視スタイルでは，限られた人員で重要な事象を見落とすことなく的確に状況把握することができない。 これを解決するには，全カメラの映像をいつでも直ぐに見直すための蓄積機能，膨大な蓄積映像から必要なシーンを素早く取り出す検索機能，カメラの撮影範囲や周囲の地理的情報を把握するための表示機能を監視システムが提供しなければならない。 三菱電機は，いち早く多カメラ監視対応の映像蓄積·検索·表示技術の開発を行い，実用化への展開を図っている。多カメラ映像サーバはカメラ映像を常にネットワーク上で分散蓄積しオンデマンド配信するものであり，柔軟なシステム構築，サーバー台で複数映像の同時蓄積·配信等の特長を持ち，既に製品適用の実績がある。 MPEG－7 (Moving Picture Experts Group phase 7)シーン検索はMPEG 符号化された映像からMPEG-7特徴量を抽出し，イベント検出による監視員の負担低減や蓄積映像からの類似シーン検索を容易にする。マップトップ映像監視は，地図やフロア図面上にビデオアイコンと称する監視映像を複数表示するユーザーインタフェースであり，監視領域全体の様子や複数映像の位置関係を直感的に把握することができる。