プリプレグのカット材を用いて成形したCF／PA6プレス射出ハイブリッド成形品の機械的特性評価

摘要

熱可塑性樹脂をマトリックスに用いたCFRTP（Carbon Fiber Reinforced Thermoplastics）は高比強度，高比剛性を有し，生産性，リサイクル性に優れるため，自動車の軽量化に貢献できるとして，その利用が期待されている．繊維強化複合材料においては，繊維長や繊維含有率が成形品の機械的特性や成形性に大きく影響する．強化繊維に不連続繊維を用いる場合，短繊維や長繊維を用いる射出成形法やカット材のランダムシートを利用したプレス成形法が主な成形方法として利用される．射出成形は形状自由度が高い一方で，繊維と樹脂の混練による強化繊維の繊維折損や，成形時の強化繊維の流動により，繊維の分布ムラや配向ムラが必然的に生じてしまい，成形品の機械的特性は高いとは言えない．カット材のランダムシートを用いたプレス成形は，射出成形法に比べ繊維長を保つことができることから高強度になり，連続繊維に比べ流動性が大きく，形状自由度が高い特性など，短繊維あるいは長繊維と連続繊維との中間の特性を持つことから汎用性が高い．