短繊維混合補強土への回転式破砕混合工法の適用性について

摘要

短繊維混合補強土は，シラスやまき土などの砂質土系の原位置土や建設発生土，または安定処理土に長さ数センチ，太さ1～100dtex（dtex：繊維の長さ10000mの質量をグラム数で表した単位）の短繊維を混合して強度やじん性，降雨や流水に対する耐侵食効果の向上，さらには植生基盤として適用性を示す土質材料である．このような土学的特長を有する短繊維混合補強土の効果を充分に発揮させるためには，短繊維を土中へ均質分散することが重要となる．しかし，従来の方法では束状の短繊維を解繊して分散する方法は確立されておらず，土質材料によっては充分な補強効果が得られないなど短繊維束の解繊·分散技術の開発が求められている．本報では，回転式破砕混合工法による短繊維束の解繊·分散手法の検討，更にセメントを添加した短繊維混合補強土の強度，じん性付与効果について確認を行った．その結果，回転式破砕混合工法は礫材を添加することによって短繊維東を解繊·分散して，土質材料との均質な混合を可能にすることが分った．また，少量のセメントを添加した短繊維混合補強土は，短繊維未添加のセメント改良土と比べて強度やじん性が増加して，力学特性が向上することを確認した．