高性能汎用ACサーボシステムでのパワーデバイス応用による大容量化

摘要

昨今，製造業界の海外進出に伴い，国内の製造装置メーカーは，より付加価値を持った製造装置を求められている。 工場ラインで使用される製造装置には，位置決め精度の向上と高応答が要求されている。さらに，生産性向上を目的に高速化及び複合作業一元化のための協調動作など動作の複雑化に伴い，汎用サーボアンプとサーボモータを用いたシステム構成が多く利用されるようになった。 さらには，装置の立ち上げの簡単さや小型化，立ち上げ時間の短さ，及びメンテナンスフリーなども従来の機械式や油圧式からサーボ化へ移行する要因の一つとなっている。 その製造装置の中でも，プレス，射出成形機，大型搬送機などは，大容量を必要とされる。 また，半導体製造装置や印刷機の分野では，高精度高応答が求められている。このように大容量·高精度位置決めを求める分野の拡大に合わせ，その製品化を進めてきた。 このたび，三菱電機は，高精度で小型化された11～22kWの大容量出力可能な汎用サーボアンプ"MR-J3-11K□～22K□"(□＝A, B, T)を製品化した。 従来比74％という小型化を図り，業界最小を実現するとともに高精度，高応答化を実現した。 このサーボアンプの製品化には現在のパワーデバイスの進化が不可欠であり，"CSTBT"構造の第五世代IGBT(Insulated Gate Biopolar Transistor)モジュールを採用したことにより可能となった。