特集「複合材料応用研究の最前線」の発刊に当たって

摘要

ガラス繊維強化プラスチック（GFRP）に代表されるFRP複合材料の開発と研究が，すでに半世紀を過ぎた今頃，「複合材牲」はあらゆる材料の複合体として幅広く認められている．最近のナノコンポジットも当然その範疇に入る。 2相以上の材料から構成され、元の材料より優れた特性（強度·剛性·靭性·電磁気的特性、化学的特性，腐食特性など）をもつ材料は複合材料の目指すところである．半世紀にわたり，GFRPから先端複合材料まで幅広い材料開発が行われており，研究内容も大きく変化している．例えば，同分野の最大の国際会議ICCMにおいて，最近のICCM14（開発地：サンディエゴー）では発表件数5％以上の分野別の順位は，1：力学と物性，2：成形，3：工業応用，4：ナノコンポジット，5：耐久性とエッジング，6：衝撃と動的応答，である．これらのデータからもわかるように複合材料の応用研究は清発に行われている．国内においても，自動車の軽量化をはじめ，多くの工業応用に先端複合材料が利用され，工業応用の実績が積重ねてきている。