アルミナ／炭化ケイ素複合セラミックスおよびアルミナき裂治癒材の疲労強度特性

摘要

アルミナは，焼結性，硬さ，耐摩耗性および耐酸化性などに優れた酸化物系セラミックスであり，古くから様々な分野で利用されている．その曲げ強度，曲げ強度に対する耐熱限界および破壊じん性値は，それぞれ，400MPa，1273Kおよび4MPa m{sup}(1/2)程度である．アルミナを力学機能セラミックス材料としてみた場合，曲げ強度および耐熱限界が充分でない．更に，破壊じん性値が低いために，欠陥感受性が高い．そのために，アルミナ製品にき裂が存在していると，信頼性が大幅に低下する懸念がある．以上のような理由により，アルミナの重要機器への応用は大きく制限されている．