既設開水路を利用した管埋設工法－両総農業水利事業　南部幹線用水路における取組事例－

摘要

本報では，コスト縮減等に有効な「既設問水路を利用した管埋設工法」の概要と，その取組事例として，南部幹線用水路における設計施工方法について報告する。まず本報の実施地区，両線農業水利事業について紹介する。 本地区は，千葉県東部の利根川沿岸，栗山川沿岸，九十九里平野に展開する受益面積17，970ha（水田13，560ha，畑4，410ha），関係市町村は香取市他13市町村に及ぶ地域である。 本地区における農業用用排水施設は，昭和18年度～40年度に実施された国営土地改良事業「両総用水地区」等により造成されたが，完成から40年以上を経ており老朽化が著しい。 このため，平成5年度に一部施設を対象に施設更新事業に着手し，平成10年皮の計画変更を経て，本事業は現況施設の機能維持、回復に加え，用水管理に係る労力、費用の軽減，維持管理の合理化，用水配分の適正化，用水到達時間の短縮及び送水効率の向上を図るため，幹線用水路のパイプライン化及び2路線化（東部幹線用水路を新設）及び，集中的な水管理システムを導入するものである。（図一1）