Crop Prospects and Food Situation:穀物見通しと食料事情2016.9世界の生産概況/食料危機最新情報

摘要

2016年の世界の穀物生産は、主とし てトウモロコシと小麦の生産予想の上 方修正を反映して、7月の予想から2, 200万トン(0.9%)増の約25億6,600 万トンとなり、2015年を4,000万トン (1.6%)上回ると予想される。2016年の世界の粗粒穀物生産予想 の上方修正は主に、2015年比で2.1 %増の13億3,000万トンと予想され る生産見通しによるものである。前年 比での増加は、主として2015年を2.6 %上回る10億3,000万トンと予想さ れる世界のトウモロコシ生産増による ものである力《、これは主に、米国で、好天に恵まれてトウモロコシの収量が大きく伸び3,900万トンの生産増が予想 されることによる。ラテンアメリカ諸国 でも、好天に恵まれたアルゼンチンとメ キシコの単収増加とアルゼンチンの作付け拡大により、トウモロコシの増産 が見込まれる。一方、ブラジルではェ ルニー ニョに伴う乾燥気候が悪影響を 及ぼし、2011年以来の不作と予想さ れる。ヨーロッパでは、EUのトウモロ コシ生産が直近に高温,乾燥気候によ る下方修正がなされたものの、干ばつ の被害を受けた昨年からは大きく回復 すると予想される。同様にウクライナ でも、減産となった2015年から12Q/0 増の生産回復が予想される。アフリカ では、干ばつの影響で南部アフリカ諸 国の生産が急減したことから、全体と してのトウモロコシ生産は減少が予想 される。アジアでは、中国で農民がよ リ収益性の高い作物の作付けを選択 したことからトウモロコシ生産が減少す るとの予想が主因となって、2016年の アジア全体のトウモロコシ生産は落ち 込むと予想される。