食品企業の社会的責任⑧－食品中小企業のための行動指針－: 企業の環境経常への取り組み

摘要

二〇〇五年九月一日、ISO22000:2005（食品安全マネジメントシステム、フードチェーンの組織に対する要求事項）が発行された。 いよいよHACCPシステムがマネジメントシステムとして、より高度化されることになる。 総合衛生管理認証制度、HACCP手法支援法による認証を受けた企業には、少し戸惑いが巾るかもしれない。それは製品認証とシステム認証の違いである。 システム認証ではトップマネジメントの（食品安全）方針に基づき、組織の適用範囲のすべての製品、サービスが対象となることだ。 ところで、この規格によって強く求められているものは、企業の社会的責任である。 原文では、常に顧客の要求事項の前に法令、規制要求事項の順守（満たすこと）　が出てくる。これは、ISO14001:2004（環境マネジメントシステム）の考え方と（利害関係者とのかかわりで）同じくしている。 企業の持続的発展にとって、地球環境の維持と同様に、人類の生存にかかわる食品の安全性を組織に求めることは当然のことといえる。 また、二〇〇八年に発行が予定されているISO26000で（社会的責任規格）では環境、安全問題は主要な構成要素となり、組織の自己宣言（この規格は、ガイダンスとしての位置づけのため）の必須の項目となるであろう。