鹿児島における ナシ'筑水'の無加温栽培技術

摘要

鹿児島県のナシ栽培では、収穫前に襲来す る台風が生産上の大きな不安定要因となって いる。そこで、台風被害を回避するため、露地栽培で7月下旬に収穫できる早生品種'筑 水'や'愛甘水'などの導入が進んでいる。今後、ナシ経営の安定や、労力分散による 規模拡大を推進するには、露地栽培よりも早 い時期に出荷できる無加温栽培技術を確立 し、露地栽培と一体ゆに組み合わせた栽培体 系が必要と考えられる。早生品種'筑水'の当県におけ る特性を明らかにするために、'筑水'、'愛甘水'と'幸水'の3 品種で、開花期や収穫期、果実品 質などを比較検討した。開花期は3品種ともほぼ同時期 であるものの、収穫期では'筑水' が最も早く、'愛甘水''幸水'の 順であった（表一1)。'筑水'は '幸水'よりも10日から14日早い 7月下旬から収穫できた。