空気膜ハウスの活用法

摘要

空気膜構造の建築物 では、東京ドーム球場 で代表されるように、 空気圧によって構造を 維持する-重空気膜構 造と、重ね合わせたフィルム二枚に空気圧を加えることによって "空気ざぶとん"のような安定した構造体と する二重空気膜構造がある。前者の一重空気 膜も農業施設として試作されたこともある が、太陽の透過エネルギーに対する空調能力 に過大な設備が必要なために、実用化には 至っていない。一方、二重空気膜構造は、屋根面等の部材 として扱うために、従来の建造物にそのまま 適用できる。空気膜構造の最大の特徴は、大 スパンを膜構造にすることによって、軽量化 が可能であることである。軽量化は、材料を 少なくすることを意味し、原理的には建設コ ストの削減になる。そして現在、従来のパイ プハウスを空気膜化することが可能であるの は、断熱性'保温性という機能と、この方式を 適用するにあたって、パイプハウスの構造に 対して新たに補強する必要がないことから、 普及が始まったと考えられる（図一1)。