熟ショックを利用した施設ィチゴの病害抵抗性讅導枝術

摘要

ィチゴの栽培は長期間にわたるため園芸作 物の中でも農薬使用aは多く、 「茨城県特別 栽培農産物認証制度対象農産物並びに農薬及び化学肥料の使準（2009)」に示される化学合成農薬の使用成分回数（回)の慣行レベルは収穫5月までの場合、48回となってい る。生産物の安全性に関する限り、使用基 準を遵守すれば使ffl回数の多寡は直接問題に なるわけではないが、一方で、周辺環境への 影響や生産コスト、農薬散布労力、薬剤而す性 菌、薬剤抵抗性害虫の出現などの問題があ り、多方面から農薬使用量削減が期待されて いる。このため、化学合成農薬に代替する防 除手法の開発、導入がさまざまな角度から研 究されている。私たちはこれまで、高温環境下での作物の 反応を調査してきたところ、作物が40°C以上 の高温に曝露されると病害抵抗性の誘導が起 きることが明らかになつた(Sato et al.2003)。 これは直接的に病害虫を熱で防除する「施設 密閉処理」（東ら，1990;佐藤ら，2003)や、 温湯殺菌（小板橋，2002)のような技術とは 異なり、高温を作物体側に作用させ、病害感 染に対する作物の反応を遺伝子発現レベルで 変化させようとするものである。