黒毛和様肥育牛における肥育後期のVC剤投与が肥育成績に及ぼす影響

摘要

近年の消費者が牛肉に求めるニーズは、単に安価なものを求めるのではなく、安全性や美味しさなど、食品としての価値を評価する傾向へと変化してきている。特に限られた需要の中では、自らの牛肉ブランドに、どうやって安全性や品質での付加価値をつけていくかが、産地間競争におけるアドバンテージを得るための課題である。この中でも、全国の有名なブランド牛は和牛の特徴である脂肪交雑や食味性を重視し、この特徴を販売に活かすことにより、輸入牛肉に対して生産コストでの不利を払拭し、高い競争力を維持してきた。したがって、今後も肥育経営の安定を図るためには、和牛牛肉の品質向上に役立つ生産技術を開発することが必要である。