ワクモDermsnyssus gallinae が定着する卜ラップの開発

摘要

ワクモの習性を利用した卜ラップを試作し，海外で既に報告されている卜ラップとワクモの定着数を比較した.まず，2枚の板を重ねて，2枚の板の1辺が接合する卜ラップ（非平行板卜ラップ）と2枚 の板が平行となるトラップ（平行板トラップ）を作製し.ワクモの定着率を比較した.その結果，平行板卜ラッ プと比較して非平行板卜ラップの定着率が高くなる傾向を示した.次に杉，桧，竹およびポリ塩化ビニール のうち非平行板卜ラップに最も適した材質が何かを検討した.その結果，杉ゃ桧は他の材質よりも有意にヮ クモが定着した.また，既報の段ボールや厚紙を用いた卜ラップよりも著者らが作製した杉材の非平行板卜 ラップに有意にワクモが定着した.以上の結果から.今回開発した卜ラップはワクモを効率よく捕獲でき. 農場におけるモニタリングや駆除あるいはワクモの生態解明の有効な道具となりうることが示唆された.