ァ一キア及び関連細菌のコレクション事業とリソース開発(平成22年度日本微生物資源学会賞受賞）

摘要

私はァーキア（Archaea1)のコレクション事業を 担当する職員として1992年に理化学研究所微生物系 統保存施設(Japan Collection of Microorganisms,以 下JCM ：現在は独立行政法人理化学研究所バイォリ ソースセンター微生物材料開発室として運営）に着任 した.ァーキアは一般の細菌や真核生物とも系統学的 に異なる第三の生物群として提唱された原核生物で (Woese & Fox,1977; Woese et al,1990), メタン生 成ァーキア，好塩性ァーキア，好熱性ァーキアなど一 風変わった微生物力s含まれている.その提唱以来，ァー キアに関する研究や探索が活発になり種の数も年々増 え続けていた.しかし私がJCMに着任した頃には， 日本のカルチャーコレクションには一部の好塩性ァ一 キアと好気性好熱性ァーキァの菌株が当時の財団法人 発酵研究所（IFO)と東京大学応用微生物学研究所 (IAM),そしてJCMに保有されているに過ぎなかつた.私自身もそれまでァーキアを扱ったことがないた め，まさに一からスタートさせるつもりでコレクショ ン事業に取り組むことにした.一方，JCMにおける ー菌株担当者としてァーキア以外の細菌株も担当する 必要があつたため，極限環境由来の細菌や難培養性の 細菌株などもァーキア関連細菌として取り扱うように なった.