負圧浸入計を用いた畑土壌の不飽和透水係数の測定

摘要

1）負圧浸入計からの浸入が定常浸入速度に達するのは約10分と短く，浸潤深さほ15cm未満であった．2）負圧が3，6，15cmにおける定常浸入速度の変動係数は乱さない100mLコアサンプルの毛管飽和透水係数と同程度であった。 3）限界負圧が負圧浸入速度に与える影響は明確にはできなかった．今後さらに検討を重ねていく必要がある．4）負圧浸入計法により求めた不飽和透水係数は，室内定常法とほぼ一致した．しかし，負圧浸入計法による不飽和透水係数の変動係数が100％を越える場合にほ，室内定常法との差も大きく，負圧浸入計法は使わない方が好ましい．5）礫を含んだり，固結して採土が困難な土壌の飽和に近い低負圧の透水係数を求める方法として，負圧浸入計法ほ優れた方法である．