北海道における有機栽培タマネギ'バレイショの窒素施肥対応

摘要

有機農業は，「農業生産に由来する環境への負荷をできる 限り低減した農業生産の方法を用いて行われる農業」と定義されている（農林水産省，2012)ように，環境に配慮し た持続可能な農法であることを技術的に担保することは， S境保个^農業の推進のみならず安个な農産物を求める消 費者ニーズへの対応からも重要である.このような中，有機農産物の日本農林規格（有機JAS) 認証ほ場の4分の1余りを占める北海道では(農林水産省， 2014), 2005年に制定された「北海道食の安全'安心条例」 において有機農業の推進を掲げ，肥培管理や病害虫，除草 対策などの技術開発を進めている.肥培管理に関しては， 露地野菜畑における窒素肥沃度の目安を示すと共に，力ボ ナヤ(CttcurbitamaxtmaDuch.),スイートコーン、Zrcl wzaysL.ノ，レタス(XactucasattvaL),エタ'マヌ(Glycine maxMerr.)を対象とした窒素施肥対応，すなわち土壤分 析値に応じた施用すべき窒素施肥量が設定されている（櫻 井，2013 ；櫻井ら，2013a).一方で，北海道の主要農産物 であるタマネギ(Allium cepaL.),パレイショ(Solatium tuberosumL.)については，それぞれ中村ら（2007),田 村ら（2015)により有機栽培における基本的な施肥法が 示されているが窒素施肥対応の設定には至っていない.