樹脂系被覆肥料による革新的な施肥技術の開発と今後の展望2.水稲栽培における樹脂系被覆肥料利用技術の 高度化と今後の展望

摘要

わが国における2010年時点での耕地面積は495万ha であり，半世紀で約150万haが減少し，耕作放棄地は年々 増加している.また，2008年度の供給熱量ベースの食料 自給率は41%と先進国に比べると最低水準であり，2010 年3月に公表された「食料、農業、農村基本計画」では， 2020年度までに50%に引き上げることが提示されてい る.このような状況下で，食料自給率を引き上げ食料の安 定供給を持続するためには作物の単収を向上させることが 最も重要である.生産現場では，土壌診断を活用しながら 肥料成分の利用効率を高め，環境への負荷低減と生産性の 向上を両立させる合理的な施肥技術が求められている.