津波被災農地の除塩対策 城県の地下水の塩類濃度上昇と逆浸透膜装置を利用した脱塩効果

摘要

東日本大震災による津波は，宮城県内有数の施設園芸地 帯を含む沿岸地域を襲い，宮城県内農用地の約1割が浸 水した.これら地域では，地下水の塩類濃度上昇が広範囲 に発生しており，これまで農業用水を地下水に依存してい た園芸農家では，用水の確保が深刻な問題となっている.地下水の脱塩については，逆浸透膜（ReverseOsmosis Membrane,以下「RO膜」）の利用が考えられるが，小 規模な農業分野での実例は少なく ，連続運転に必要な操作 方法ゃメンテナンス方法などのノゥハウがないことから， 本格的な導入には至つていない.