夏秋どりトマトの点滴灌水施肥（養液土耕）における果実生産と 施肥窒素利用率からみた生育時期別の適正窒素施肥量*

摘要

点滴灌水施肥（以下，養液土耕）は点滴チューブを用い て作物の株元に肥料と水を同時に与える栽培法であり，作 物の生育に合わせて過不足なく施肥することにより，施設 栽培における土壌の塩類集積を防ぐ有効手段となる.施設 野菜の養液土耕については主に果菜類を対象として施肥法 や灌水法の研究が行われてきた.そのうち施肥法の研究では慣行施肥に対する減肥の可能性（玉井、大西，2002 ；山 崎、六本木，2002 ；荒木，2007)や土壌からの窒素供給量 に基づく施肥法（荒木ら，2005;満田ら，2005)が報告さ れている.また，国内の公的機関により各作物における養 水分管理指針が設定されており，トマトに限定しても報告 数は少なくない（上山ら，2004;國田ら，2004;山田ら， 2005 ；玉井，2005).