酸性デタージェント可溶有機物量による鶏ふん堆 肥，豚ぶん堆肥のメタン発生ポテンシャルの評価

摘要

近年，世界的な肥料需要の増大により，一時的に肥料' 肥料原料の国際価格が上昇した.今後にぉレ、ても世界人口 の増加やバイオ燃料利用による穀類生産量の増加が見込ま れ，さらなる肥料需要の拡大が見込まれている.これに対 応して，従来，主に土づくりに利用されてきた家畜ふん堆 肥中の肥料成分の活用が注目されている.しかし，家畜ふ ん堆肥は畜種，副資材および製造法により肥料成分量や肥 効が大きく異なるため，堆肥中の肥料成分を利用した減化 学肥料栽培を生産現場で実施することは困難である.この 問題を解決するため，近年，家畜ふん堆肥の肥料成分含量と施用当作期間中の窒素肥効を簡易に分析できる手法（実用技術開発事業18053マニュアル作成委員会，2010)が開 発された.この分析法は塩酸抽出法による無機態窒素の測 定と酸性デタ一ジェント可溶有機物（以下AD可溶有機物 という）による易分解性有機物量の評価に基づくものであ り，生産現場での活用が各地域で検討されている.