輪換水田の土壌管理とイネ、ムギ、ダイズ不耕起栽培技術の開発

摘要

米の生産性の向上と食生活の変化による消費量の減少によって米が生産過剰になり，昭和46年以降，米の生産調整が続いている．このため，水田から畑への転換や田畑輪換をスムーズに行うための排水技術と土壌管理技術の開発が行われた．また，担い手の減少への対応と生産コスト低減りた鋸こ省力的な水田営農技術の開発が行われた．粘質な水田土壌ほ，畑へ転換した初年目の砕土率が著しく低く，播種精度の低下と苗立率の低下により畑作物の収量が不安定になる．土壌の畑地化の進行による収量の向上と畑作物の連作障害による収量の低下を考慮して，畑期間を3年程度にすることが望ましい．このため，畑へ転換後の土壌物理性の変化の指標を明らかにすることと，畑転換後の土壌の変化を促進する方法や田畑輪換における土壌管理方法を明らかにすることが必要であった．そこで，土壌の乾燥履歴が物理性の変化に及ばす影響と機作を明らかにするとともに，八郎潟干拓地の低湿垂粘土において，水田から畑への転換をスム－ズに行うための土壌管理の1手段という観点でイネの不耕起移植栽培の効果を明らかにした．