紫外線照射還元ーフローインジエクション分析法による土壌抽出液中の硝酸態窒素の定量

摘要

土壌中の硝酸態窒素は，土壌、施肥管理上，また，窒素動態を解明するためにも不可欠な分析項目である．この定量にほ，フェノール硫酸法，デパルタ合金還元一水蒸気蒸留法，鋼、カドミウム還元－ナフチルエチレンジアミン吸光光度法，イオン電極法，フローインジェクション分析（以下FIA）法などが用いられている．フェノール硫酸法やデノミルタ合金還元一水蒸気蒸留法，鋼、カドミウム還元－ナフチルエチレンジアミン吸光光度法は精度が高く，精密分析法として広く用いられるが，操作が煩雑で，分析に多大な労力と時間を要する．イオン電極法は簡便であり，圃場でのリアルタイム分析に用いられるケースがあるが，低濃度での誤差が大きく，同一電極を用いての測定回数に限界がある．一方FIA法は，高感度，高精度で，迅速性にも優れ，自動分析への応用も可能である．一般に，FIA法による硝酸態窒素の高感度分析には，硝酸を亜硝酸に還元し，亜硝酸をナフチルエチレンジアミン吸光光度法で測定する方法が用いられている．竹迫ほ，オンラインで硝酸を亜硝酸に還元するために，鋼、カドミウム還元力ラムを組み込んだFIA法を土壌の塩化カリウム抽出液中の硝酸態窒素分析に適用し，長時間安定して高い還元率が得られる定量法を提案した．しかし，鋼、カドミウム還元－FIA法ほ，還元カラムの管理が煩雑であり，重金属を含む有害廃液の処理が必要である．