インターネットを利用した岐阜県下におけるサルモネラ症発生動向調査I 2000～2003年におけるサルモネラ属菌検出状況

摘要

わが国におけるサルモネラ食中毒は，長い間事件数育件前後で推移してきたが，1980年代の終わりから徐々に増加し始めた1990年代の中ごろから急激に増えており，近年の食品流通の広域化に伴い大現模化している．1999年3月に川崎市で発生しだイカ乾製品による食中毒は，山梨県を除く46都道府県で上633名の患者発生をみた．岐単県においても患者数は137名に達し，全国でも最多の患者数が報告された．その後，寄せられた情報を詳細に検討した結果，県内の検査センター，病院では原因菌であるSalmonella Oranienburgが既に2月から検出されていたことが判明した．そこで筆者らは，散在的集団発生（diffuse outbreak）の初期段階において情報を探知、収集、解析することにより，被害の拡大を防止できると考え，インターネットを利用しだサルモネラ症発生動向調査システムを構築した．運用を開始した2000年4月から2003年3月におけるサルモネラ属菌検出状況とdiffuse outbreakを疑つだS．Agona株のパルスフィーリレトゲル電気泳動（以下，PFGE）による解析結果について報告する．