陸上競技長距離女子選手における 夏季暑熟環境下運動時の発汗反応

摘要

すでに，四季のある日本においては，夏季の暑熱曝露により発汗潜時の短縮，発汗量の増加および汗中塩分濃度の低下がみられると報告されている（Hori et al.,1977, Kuno,1956, Ohara,1966, Robinson et al.,1943, Rothamn,1954).また，非運動 トレーニング者においては，中和温域での運動トレーニング時と暑熱環境負荷時の生 理的反応の比較について報告されているが（堀と田中，1985),夏季屋外での暑熱環 境下において運動トレーニングを実施している者を対象として，暑熱負荷と運動負荷 の複合因子が体温調節反応にどのような影響を与えるかを報告したものは見当たら ない.そこで本研究の目的は，大学女子陸上競技選手における夏季暑熱環境下におけ る運動トレーニングが，中和温域における運動時の発汗反応にどのような影響を与え るかを検討することとした.