第二次世界大戦後の第一次学校植林運動の特徴

摘要

第二次世界大戦後，荒廃した国土を復興するため，一般造林運動が行われた。第一次学校植林運動はこの一般造林運動の一環として，1949年から1953年にかけて，小学校，中学校及び高等学校において実施された。 本稿は，第一次学校植林運動の性格を，資料をもとに検討したものである。 その結果，以下のことがいえる。 1）この運動当初，植えっぱなしと林業関係者から批判を受けていた。 2）林業関係者の一部は，児童生徒を植林のための安価な労働力と考えていた，と思われる。 3）教育関係者は，植林活動を核にした総合的な活動を計画した。 4）学校植林協議会では，都市部学校における校内緑化の必要性が指摘されていた。 5）当時の教育学者はほとんど教育としての植林に言及せず，林学者が言及していた。 当該教育関係者にとって，学校植林運動当初は，この運動の教育的意義を見出すために努力した時期であつたといえる。