チンパンジーにおける持続的採金工ンリッチメントの効果：採食の機会と採食時間の分析

摘要

採食は、野生では1日の27．5％（6時間以上）を占める行動であり、昼行性のチンパンジーでは活動時間の半分以上を採食とそれに関連する行動をしながら過ごしている。 一方、飼育下では1日に数回程度しか給餌はおこなわれず、1日の採食時間は昼間の6．8％（およそ20分）を占めるに過ぎない。 採食の機会が制限され、採食時間が短いことは、糞食、吐き戻しなど、一般に飼育チンパンジーの異常行動と呼ばれる飼育下特有の病的行動を引き起こす主要な要因と考えられている。