硫酸酸性害の発生と対応-福岡県三瀦郡三瀦町生津地区の事例-

摘要

当普及センター管内では、これまで多くの地区が硫酸酸性害に苦しめられてきた。 今回、福岡県三瀦郡三瀦町生津地区において、クリーク泥土の農地還元に伴い発生した硫酸酸性害の発生状況とその対応方法について紹介する。 三瀦町は福岡県南部、広大な筑後平野のほぼ中央に位置する、標高5～10mの平坦な水田地帯である。主要作物は土地利用型作物（米、麦、大豆）で、その他施設イチゴ、たまねぎ等が主に栽培されている。 土壌は細粒灰色低地土が主体で肥沃な地帯である。そのなかで、生津地区は東西、南北にクリークの走るクリーク地帯で米、麦、大豆の栽培がほとんどであり、一部裏作にたまねぎが栽培されている。