水稲無コーティング種子の代かき同時播種栽培の苗立ちと収量

摘要

水稲の湛水直播栽培は過酸化石灰資材や鉄粉のコーティングにより苗立ちが安定化して きたが、コーティングはコストや手間の点からはない方がよい。そこで、無コーティング でも苗立ちが確保でき、鳥害や苗の吹き寄せも防ぐことができる方法として、浅く土中に 播種可能な代かき同時播種を試み、苗立ちと収量を調べた。水稲品種「萌えみのり」の催芽種子を2.2m幅のハローに取り付けた電池式散粒機（図 1、2008年）または肥料散布機（図2, 2009年、2010年）にて代かきと同時に散播、条 播、または広幅条播した。条播の条間は38cm、広幅条播の播種幅は約11cmであった。2008 年は大豆跡水田にて5/12に8.6g/m~2播種し(計代かき3回)、防鳥網を設置した。総施肥量 はN-P_20_5-K_20各8g/m~2であった。2009年は連作田にて5/15に5.7g/m2播種した（計代か き2回と3回）。播種様式は散播区と条播区を設け、種子処理として催芽程度を鳩胸区と 2 mm程度芽を伸ばした芽出区を設けた。総施肥量はN-P205-K20が9-6-6g/m2であった。 2010年は連作田にて5/14に7.2g/m2散播、または広幅条播した（計代かき1回と2回）。