十勝地域における畑作何方式の展開と野菜作の機械化

摘要

十勝地域では，1戸平均の経営耕地面積28.33ha，農業就業人口2.96人，トラクタ3.55台（2000年世界農林業センサス）の大規模機械化経営が展開している。 現在，ビート29.6千ha，馬鈴薯24.9千ha，小麦39.2千ha，豆類23.6haの他，野菜類も9.3千ha（2000年センサス販売農家）作付けされているが，そこでの土地利用はこれまで大幅な変化を遂げてきた。即ち，1960年代までは小豆，莱豆，大豆などの豆類が基幹作物であり，豆類の作替わりといった土地利用が広範に行われていたが，その後ビート - R鈴薯，さらには小麦といった機械化に適合した作物が増大してきた。 また，近年では畑作物価格の低下の中で野菜類の導入も進み，畑作付方式も変化を遂げてきた。本稿では，十勝地域の畑作農家の作付記録（作付図）を基に，70年代以降の畑作付方式の展開とそこでの土地利用上の課題を整理する。 さらに，近年の野菜類導入の影響を検討するとともに，キャベツの収穫機械化を事例に野菜類が輪作の中に位置付くための課題を検討する。