ザンベジ川氾濫原の水収支と水田の純用水量の推定

摘要

開発途上国で水田開発を計画する場合，灌漑用水量の見積もりを基礎とした水利用計画が重要になる。 一般に量をもとに算出されるが，その施用水玉は栽培作目に対する蒸発数量と地下浸透損失の和から有効雨量を差し引いて見積もられる（FAO，1986）。 その場合，水田からの蒸発散量と地下損失水量は推定値が使用されるが，その精度が問題となる。 特に地下浸透損失については，例えばその地域に浅い地下水からの水供給が存在したとしてもその評価が難しいため，そのような水供給量は考慮されないのがふつうである。 したがってこの方法では，地相こよっては灌漑用水量を過大評価する危険性がある。