施設園芸先進国オランダにおける最新技術 2

摘要

オランダの施設園芸は重要な輸出産業であり，野菜では70～80％が海外に輸出されている。一方では，大規模な施設が特区に集中しているため常に環境問題と隣り合わせである。そのため，潅水に用いた排液の再利用や，ナトリウムランプなどでの補光がハウス外へ漏れることへの制限などが法的に定められている（Breukersら，2008）。また，オランダの施設園芸は北海の豊富で安価な天然ガスをエネルギー源として発展してきた。しかし，昨今の環境問題と北海の天然ガスがあと20年はどで枯渇するという危機感を抱いており，低炭素社会に向けた取り組みや脱天然ガス（脱化石燃料）の栽培方法に関心が高まっている。そのため，オランダの施設園芸では2020年以降に建設されるハウスは環境に対してニュートラルなものにして，炭酸ガス排出量を48％削減することを目標にしている。