改革開放以降の農業問題と政策展開

摘要

この頃、中国のいわゆる「三農問題」に開する議論が中国国内外でめっきりと減っている。北京大学国家発展研究院に集まった、米国などで農業経済学関連の博士号を取,した数多くの著名な学者はかつて一一一農問題を精力的に調査研究し、社会に向けて力強い発信を続けた。しかし、そのほとんどがいまや三農問題の研究から離れている。先日、その研究院長と会う機会があり、なぜこのようになつたかを聞いてみた。「三農問題は今の中国にとってもはや最重要な課題ではなくなり、採るべき対策も着々と実行に移されている。われわれはつねに社会的開心のもっとも高いテーマを見つけ、その研究に力を注がなければならない。今のような状況はその結果でしかない」という主旨の答えが返ってきた。たしかに、三廛問題が深刻化しその解決の重要性が叫ばれた2000&.代はじめに比べれば、ここ十数年間、「三農」=農業、農衬農民を巡る社会経済情勢が激変し、諸問題にある程度の解決を見たというのもまぎれのない事実である(厳2002、 2012).