それぞれの視点から: 経済同友会の視点

摘要

アメリカは、2002年10月にブッシュ政権が「競争的自由化戦略」を公表して以降、それにもとづいてWTO交渉とFTA交渉を同時かつ積極的に推進することを主要政策課題としているが、近年はWTO交渉よりもFTA交渉に重点をおいているようにうかがえる。WTO交渉、FTA交渉ともに、農林水産品、鉱工業品、サービスの市場アクセスに加ゝえ、知的財産権、環境、開発等の広範にわたる分野を交渉対象としているが、農産物輸出大国であるアメリカにとって、農業は重要な交渉分野である。じかし、アメリカの農産物生産輸出は、多額の農業補助金による国内支持の恩恵を受けていることから、WTO交渉ではその大幅削減を強く求められ、これに抵抗するアメリカの主張が交渉停滞の一つの要因とをっている。