改正農地法にみる農作業常時従事要件.地域との調和要件

摘要

今回の改正農地法は，農地の所有から利用への転 換をさらに推し進め，農地を有効利用に供されねば ならないという利用優先の考え方にシフトしたと いうことができる.それは，所有権と利用権との間 の規制を切り離し，所有権には厳しい規制を継続す るものの，農地の利用を基本とする制度へ大きく転 換を図ったことになる.利用権には，企業参入など 新たな担い手として大幅な見直しをすすめ，再び一 般企業が多様な担い手の一形態として対象となつ たのである. 農地の転用を厳しく強化する一方で，一般企業が 貸借により参入できる農地はこれまでは市町村が 指定した特定区域内に限定していたが，今回の法改 正では区域指定を撤廃することとなった.